SONGS作品集|アルバム > お先にどうぞ

眠れぬ夜

大人の約束は
守られてあたりまえ
なんだけど
そうだけど
分かっちゃいるけれど
ひるひなか
空高く
外にも出てみたい

締め切り迫る午前二時
眠れぬ夜が更けてゆく
目を閉じたなら次は朝
時間よとまれ
と言ってみた

大人の約束は
破ったらあとがない
厳しいな日本は
分かっちゃいるけれど
朝寝して昼寝して
まだまだ眠くなる

締め切り迫る午前二時
眠れぬ夜が更けてゆく
目を開けるたび時計見て
今寝てたかと
気が気でない

目を閉じたなら楽になる
眠れぬ夜の筈だった
ごめんなさい

かべ

心の窓をたたく
心の扉をひらく
心に衝立をたて
心に壁をたてる

よく言ったもんだ
今も昔も人間は心の壁に思い煩うばかり

だから
倒れない壁を作るのだ
壊れない壁を作るのだ
本当に怖いのは人間なんかじゃない

石を積み累ねた
土を塗り固めた
柱を硬くして
窓は二重にして

よくやったもんだ
今も昔も営みは我が家の壁の重さに守られた

だから
倒れない壁を作るのだ
壊れない壁を作るのだ
本当に怖いのは人間なんかじゃない

おてんとー

あなたのきわめて利己的な
希望にお応え致します
なになに相合傘ですと
晴れては様になりませんね

しからばあなたの前後には
雨男二人揃えます
朝から晴れても傘だけは
信じてご用意くださいね

そうですね
雨にならなきゃ困るのですね

おてんとーおてんとー
株式会社おてんとーでは
晴れ女に雨男
ご指定の時間までに
あなたのもとへ派遣します

あなたのきわめて切実な
希望にお応えいたします
半期に一度のおやすみに
ご家族そろってお出かけね

しからばあなたの四方には
晴れ女四人送ります
ゆめゆめ脇見をなさらずに
家族水入らずをどうぞ

なんならば
延長プランもご検討ください

おてんとーおてんとー
株式会社おてんとーでは
雨女に晴れ男
ニーズに合わせて幅広く
各種取り揃えております

人類が未だままならぬ
希望にお応えいたします
梅雨台風時季の割増に
ご理解お願い致します

おてんとーおてんとー
株式会社おてんとーでは
晴れ女に雨男
ご指定の時間までに
あなたのもとへ派遣します

大根写真

大根の芽が気になって
水にさしておいたのです
寒いからせめて
日のあたる窓際に
東京に来て十年です
北にしか窓のない部屋にも慣れました
おかあさん

明くる朝に目を疑って
写真に撮っておいたのです
一晩もあれば
たくましく育つもの
東京に来て十年です
畑の仕事もしてみたくなりました
おかあさん

毎朝カメラを覗く度
みるみる丈がのびるのです
太陽に向かって
花は開くものなのね
東京に来て十年です
薹が立つって言うものねと
こともなげに言う
おかあさん

開花予想

心のうちに掲げた理想
届かないもどかしさ
手にする為に為すべきことも
耳にしているものの

いつになるやらその時は
来るのだろうか本当に

花は咲くよこのまま行けば
花は咲くよ予想通りに

テレビが言った開花予想日
かかわりはないけれど
すべてのことに理由をつけて
安心をするのなら

僕と出会ったあの日から
君は笑いを取り戻し

花は咲くよ予想通りに
君も咲くよいずれ近々

花は咲くよ今夜明日にも
君も咲くよいずれ近々

わらえますように

くすぐりっこなしでも
変な顔もなしでも
いいからいいんだから
自慢話がなくても
大きな夢がなくても
教えて
君の昨日までのこと

今日きみが笑えたら
それでいいんだ

ギャグひとつなくても
おどけたりしなくても
いいからいいんだから
世間話のついでに
余計な世話と言わずに
生きてきた
君の昨日までのこと

今日きみが話せたら
それがすべてさ

もし明日を待てるなら
それでいいんだ

今日きみが笑えたら
それでいいんだ

お先にどうぞ

上りの電車が空いている
ラッシュに乗り遅れたふりさ
急がないのか?置いてかれるぞ?
後でいいから待たなくていいから
僕は僕の足を足場を作っているところ

下りの電車を途中下車
知らない道があるからさ
急がないのか?置いてかれるぞ?
後でいいから待たなくていいんだ
僕は僕の足を足場を作っているところ

急がないのか?置いてかれるぞ?
どうぞお先に
どうぞお先に
僕は僕の足でいきます
もう交わらなくても

預言

きっとあるんだろうな
三歩進めば二歩下がる
きっとあるんだろうな
五分で着く道遠回り

きっとあるんだろうな
差し伸べた手が届かないこと
きっとあるんだろうな
行き違う言葉と心

年を重ねてわたしは
あたかも預言者のごとく
よからぬことばかりは
手に取るように

きっとあるんだろうな
悪いことばかりじゃないと
肩のよろいを下ろして
星を見上げて涙する


きっとあるんだろうな
三歩進んで五歩下がる
きっとあるんだろうな
通い慣れた道で転倒

きっとあるんだろうな
差し伸べた手で傷つけて
きっとあるんだろうな
忘れられないままのあれこれ

年を重ねてわたしは
あたかも預言者のごとく
よからぬことばかりは
手に取るように

きっとあるんだろうな
悪いことばかりじゃないと
肩のよろいを下ろして
星を見上げて涙する


きっとあるんだろうな
誰に言っても笑われて
きっとあるんだろうな

きっとあるんだろうな
悪いことばかりじゃないと
肩のよろいを下ろして
星を見上げて涙する
きっとあるんだろうな

損得感情

世界はどんどん複雑に
変わらぬ筈の思いも変わりゆくし
だいたいお金の価値も日替わりじゃ
なにがお得かわかりにくい

お得お得お得の
日本語で言えば三文字が
ATAIOA頼りの鈍った身体の潤滑油

あなたと出会えてよかったと思えない時は損得勘定
あなたと出会えてよかったといつまでもあなたには言いたい

愛しい人よ永遠に
僕を天秤にかけないでおくれ
黙って誰かと比べられたんじゃ
どこを磨けばいいのやら

お得お得お得の
日本語で言えば三文字を
お値打ち割引広告で
読み解く力を養った

あなたと出会えてよかったと思えない時は損得勘定
あなたと出会えてよかったといつまでもあなたには言いたい

お得お得お得の
日本語で言えば三文字を
クーポンポイントセールから
気負った心で鷲掴み

あなたと出会えてよかったと思えない時は損得勘定
あなたと出会えてよかったといつまでもあなたには言いたい

空いた時間に夢はみた

荒れ野を拓き家を構え
空いた時間に夢はみた
遠い川から水を引いて
空いた時間に夢はみた
子供が増えて町を作り
空いた時間に夢はみた
遠くの国と道をつなぎ
空いた時間に夢はみた

まだしばらくは地球も
青いだろうし
夏は暑いだろうそこで

君は何をみる
僕は君を見る
それだけじゃだめですか

仕事が増えて誰でもが
空いた時間に夢をみた
お金が出来て誰でもが
空いた時間に夢をみた

まだしばらくは地球は
丸いだろうし
冬は寒いだろうそこで

君は何をみる
僕は君を見る
それだけじゃだめですか

食うに困らぬ誰でもが
空いた時間に夢さがし
暇を飽かして夢さがし
夢を飽かして夢さがし

荒れ野を拓き家を構え
空いた時間に夢はみた

君は宝くじにあたったんだよ

まず君はこの事実に気がつくべきでしょう
今の今君の人生は大当たりのまっただなか
そうさこうして僕と出会えたのだから

まず君はこの事実を認めるべきでしょう
この街じゃほとんどの人は君にとって他人にすぎない
だけどこうしてこの僕と出会えたんだ

いろいろあったでしょう
それはいろいろあったでしょう
いろいろあったから
今をここを笑えるのです
何にたとえたらわかりやすいかな
何にたとえたら角が立たないかな
ああそうだ
君は宝くじに当たったんだよおめでとう

今の今この街のほとんどの人たちは
この僕とよそよそしくただすれ違っていく
それにひきかえなんて君は幸運なんだろう

いろいろあったでしょう
それはいろいろあったでしょう
いろいろあったから
今をここを笑えるのです
何にたとえたらわかりやすいかな
何にたとえたら言い過ぎないかな
ああそうか
君は宝くじに当たったんだよおめでとう
僕は君の宝さ 君は僕の宝さ
よく拾い当ててくれたねありがとう
おめでとう

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