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風薫る六月の君へ

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すべての「君」に向かってうたう。「日曜餃子愛好会」オリジナル版収録。

君と遠くへ


君と遠くへ行きたいな
逃げる訳じゃないけれど

この辺りにはない空の広い場所には
名も知らない花が乱れ咲き
君はそれを全部知ってたりする
君と遠くへ行きたいな
逃げる訳じゃないけれど

道の限りをみてみたい
逃げる理由をでっち上げて
突き当たりの先の誰もいない場所では
明日が待ち遠しく見える
君はそんな僕をみていてくれる

君と遠くへ行きたいな
逃げる理由をでっち上げて

いつでもきみを


交差点は常にスリルとアクシデントを隠し持っている
眠りの足りない人 根気の足りない人などどこにでもいるよ
運がいいよ 僕たちは
排気ガスも不注意もくぐり抜けて
案じているよ
絶対安全な事なんてないんだ。わかってんの?

通い慣れた道も 馴染みのトンカツ屋にも 知らぬ顔がある
理性の足りない人 異性の足りない人など どこにでもいるよ
そんな風に待ってるから
無事部屋に着いたらすぐ電話して
案じているよ
絶対安心な人なんていないんだ。わかってんの?
案じているよ
絶対安心な時なんていないんだ。わかってんの?

風薫る六月の君へ


風薫る六月の君よ
僕が連れていく むき出しの荒野で
君は両手の限り大きな声で歌え
僕が連れていく

風車の見える公園に 僕らの場所を見つけて
昼下がりを楽しもう
疲れてしまったときは それでいいだろう

六月生まれの君に かおりと名付けたことも
風変わりなことじゃない
矛盾を探す真似も もうやめにしよう

風薫る六月の君よ
僕が連れていく むき出しの荒野で
君は両手の限り大きな声で歌え
僕が連れていく

若さの許す限りの 狼藉不倫を重ね
「あの場所」を仰ぐだろう
生まれてしまったことに 礼を言うために

風薫る六月の君よ
僕が連れていく むき出しの荒野で
君は両手の限り大きな声で歌え
僕が連れていく

延伸計画


とても願ってもない事件だった
とても幸福な計画だった
僕の住む町と君の住む町が
ひとつの電車で結ばれるという

二年後この電車が出来たら
乗り換えなしで君に会いに行くよ

約束は果たされなかったあんまりいい加減で
あんまり不確かで思えばずるかった

町の歴史は思いの外長く
あくまで予定は未定だった
二人の歴史は思いの外短く
なにしろ予定は未定だった

来年仕事が決まったら
再来年ボーナスが出たとき
25歳で覚悟が出来たら
そんな風に言うべきだったのに

五年後この電車がようやく
乗り換えなしで君のもう居ない町へ

約束は果たされなかった自分の足下は
いつでも不確かで思えばずるかった

約束は果たされなかった

何も知らない


このままでずっと
このままでずっと変わらないのかな

僕らが若さを知らずにいた頃
夕陽も僕らを隔てる気がした
僕らが若さに気付いたあの頃
家族も僕らを隔てる気がした
何も知らない癖に

このままでずっと
このままでずっと変わらないのかな

いつしか僕らも若さを追い越し
訳知り顔して暮らしを始める
大人に憧れ暮らしが続けば
子供はいいなと溜息こぼして
何も知らない癖に

ぼくたちのさしすせそ


あぁ。なんで君はなんでもかんでも
砂糖を入れたがる
紅茶に入れるのはよいでしょう
サラダの中のトマトになぜかける
あぁ。なんで君はなんでもかんでも
辛いというのだろう
三日目の味噌汁の場合
しょっぱいというべきではないだろうか

二人で暮らすということは
こういうことなんだな

あぁ。なんで君はいつでもどこでも
デザートを欲しがる
プリンやゼリーやケーキは僕も好きだけど
もずくや梅干しを最後に何故食べる
あぁ。なんで君は豆腐の味噌汁を作ってくれないのだろう
今夜はお刺身か 嬉しいね
でもこんな時にコーンスープはどうかと思う

二人で暮らすということは
こういうことなんだな

あぁ。なんで君はなんでもかんでも
冷蔵庫にしまうのだろう
ソースやケチャップやマヨネーズまではよいでしょう
醤油やラー油をどうしてそこにしまう
あぁ。なんでうちにはどういうわけで
味の素がないのだろう

夏休みはみじかい


濡れた髪もじきに
乾いてしまうからもう一度潜ろう
濡れたシャツもじきに
乾いてしまうだろう

帰れないのは君のせい
帰せないのは君のせい
帰さないのは僕のせい
帰さないよ

昇る月もじきに隠れてしまうから
もう少し見ていよう
鼻に砂のついた君を
ずっと見ていたい

帰れないのは君のせい
帰せないのは君のせい
帰さないのは僕のせい
夏休みがみじかすぎて

ワタナベさん


ウチのとなりはワタナベさんちで表札はありません
越してきたとき挨拶したからそれは確かです

ウチのトイレととなりのトイレは背中合わせ
ワタナベさんのおじさんと僕は向かい合わせ じょー

狭い国ですが 狭い町ですが 狭い世間ですが
近くて遠い人がいる

近くに住んでる知らない人よ
エレベーターで鉢合わせるたび
びっくり顔のあなた 何号室の人?

ワタナベさんに家族はいるのか実は知りません
ワタナベさんのおじさんと今日は背中合わせ じゃー

狭い国ですが 狭い町ですが 狭い世間ですが
近くて遠い人がいる

近くに住んでる知らない人よ
エレベーターで鉢合わせるたび
びっくり顔のあなた 何号室の人?

ウチの隣はワタナベさんちでそれは確かですが
漢字で書くとどの字を使うかそれは知りません

オンリーラーメン


オンリーラーメン 今夜も
オンリーラーメン 卵おとして

一人じゃ食えない夜がある
あなたが残した買い置きの

オンリーラーメン 今夜も
オンリーラーメン 卵切らして

きらしちゃならないものがある
週末まとめて買い置きの

オンリーラーメン

日曜餃子愛好会


日曜餃子愛好会

会則その一
日曜の夜は餃子とすべし
ただしナイターその他外出の用あれば
その限りではありません

会則その二
会員資格は特にないものとす
ただし別に定める不届き行為については
その限りではありません

餃子を作ろう 餃子を食べよう
おいすぃぎょうざ おうちでぎょうざ

会則その三
会員は皆手ずからつくるべし
ただし皮については市販のモノが早いので
その限りではありません

会則その四
具にネギニンニクは控えるべし
ただし参加者の嗜好まちまちであれば
その限りではありません

餃子を作ろう 餃子を食べよう
おいすぃぎょうざ おうちでぎょうざ
余さず作ろう 残さず食べよう
おうちでぎょうざ みんなでぎょうざ

会則その五
続きはまた来週のこととす
もう食べます

おふとん


午前七時午前二時
眠らない現代病
太陽に恵まれず
というか太陽に気付かない

一日とやらに目を回しそうで
いくばく手を抜かなくちゃ やってられない
おふとんの僕が帰らなきゃ 君は眠れないと言う
それでは今夜はかけぶとん です ね。

目眩に似た眠気哉
目も眩む色気哉
目障りな食い気哉
果たして本能に鞭うつ日々よ

生活とやらに目を回している
一拍手をぬきゃすぐに 置いて行かれる
おふとんの僕が帰らなきゃ 君は眠れないと言う
やっぱり今夜もかけぶとん です ね。

直ちに仕事は片づけて
直ちに勘定しめさせて
直ちに彼女に服を着せて
帰るコールは欠かさずに
一日の終わりには何分も君と話そう
束縛的安らぎも 欠かせない

おふとんの僕が帰らなきゃ 君は眠れないと言う
それでは今夜はしきぶとん です ね。

君は気づいていないだけ


道に迷っちゃったら
地図を頼りにすればいい
地図が読めなかったら
僕を頼りにすればいい
あはは 助け合って生きましょう

明日に迷っちゃったら
僕の日記を読めばいい
漢字が読めなかったら
僕に尋ねてみればいい
あはは 支えあって生きましょう

君はまだ気づいていないだけ
君は僕のために生きている
おぼえておけよおほほほほほ

急に眠くなったら
君は枕を探すでしょう
それが手元にない今は
僕を枕にすればいい
あはは 救い合って生きましょう

君はまだ気づいていないだけ
君は僕のために生きている
おぼえておけよおほほほほほ

自分に迷っちゃたら
慌てて自分を捜すでしょう
どこにも見当たらない時は
僕に尋ねてみればいい
あはは 認めあって生きましょう

君は僕のためにここにいる
君は僕のために早起きする
君は僕のためにコーヒーいれる
君は僕のために掃除する
君は僕のために卵焼く
君は僕のために餃子焼く

君はまだ気づいていないだけ
君は僕のために生きている
おぼえておけよおほほほほほ

かたわれ


生まれてこのかた 繰り返す過ちは
はぐれてしまった運命のかたわれを
型どるための大事な大事な傷み

だからあの日誰かを求めた
縋り付く術もいとおしむ術も
からだじゅうに焼き付けながら

僕のかたわれ どこにいる
すり減っていく自分を感じながら
ずっとずっとずっとさがしてる
傾いていく自分を支えながら

生まれてこのかたぶりかえす憧れは
ちぎれてしまった運命のかたわれと
あわせたときに初めて手にするかたち

それはいつかどこかでもとめた
挑むような夢も暖めた夢も
からだじゅうに塗り付けながら

君のかたわれ ここにいる
さまよってきた時間はふたりのもの
強く強く強くもとめてる
漂ってきた傷みはふたりの糧

あぁどおして僕らはみんな凸凹なのかそれは

いつも誰かとかすめるたびに
張り裂けた胸もすり切れた足も
君と君と埋めあうために

僕のかたわれ みつけたよ
重なってく時間を讃えながら
ずっとずっとずっとさがしてた
今辿ってく未来はひとつのもの

やさしい顔


僕はまた誰かを傷つけたのかな
あんな言い方はだめかな
明日さえ拒みそうな声で
君に問いかける

君は笑う許すやさしい顔で

僕はまだ誰かのための歌なんか
歌えない子供なのかな
明日まで答えを待てなくて
君に問いかける

君は笑う許すやさしい顔で

僕はそのやさしい顔をたよりに
どんな生き方をするのか
まだまだまだ続いていく筈の
迷いの道をすすむ

君は笑う許すやさしい顔で

Information

型番:PMCD-IF12
発売:2001年 11月
価格:¥628

SHOP

ラブレコードで購入

 ラブレコード閉店に伴い、CD作品集をお求めの場合はご一報ください。ライブ会場にご用意させていただきます。
 遠方の方は別途ご相談ください。

ペンツマンレコードで購入

ジャケット デザインはTOMO工房さま

2001年8月10日より、ラブレコードにて販売中

2001年8月10日当時の言

  僕は沢山の人に囲まれて生き続けてきました。凄く助けて貰ったり、逆にひどく傷つけてしまったり、または大変傷つけられたりしてきましたが人間である以上、いろんな関係があって然るべきなのでしょうね。でも、僕は今の所とても沢山のありがたい関係の中で生きています。僕をみていてくれる「君」に向かって作ってみようと思いました。ライブを重ね、沢山の人たちと出会い、そして馴染みになってくれたみなさん。そんな皆さんが今の僕の全てと言っても過言ではありません。振り返れば、独りよがりな戯れ言ばかり歌って来たことの方が多い気もしますが、ここ数年は僕に歌わせてくれてありがとうっという気持ちが絶大なのです。また一枚作れました。みなさん本当にありがとう。

ご挨拶

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