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1999
1999何かが来るのなら1999何かがあるとして
このままの僕のままで誰かを守れるのでしょうか
息をひそめて今までのように声を殺せばやり過ごせるのかな
このままの僕のままで誰かを守れるのでしょうか
嬉しい楽しい盛り上がればよしの嘘の涙を今年も流すのか
このままの僕のままで誰かを守れるのでしょうか
1999本当は何が出来る
英才教育
午前マイナス三時の街には
人待ち顔の看板が並ぶ
子供は寝る時間だと
声無き声は通りすぎていく
午前マイナス二時には早くも
こそ泥顔で紳士らは帰る
金を吐くように使おう
子供が今や偉大な消費者
この大きな町はいつか僕らのものになる
英才教育実習時間だ
大人はただ 金を出せ
午前マイナス一時の町から
春待ち顔の女が家路急ぐ
女は家で寝ていろと
声無き声を胃袋から吐く
午前一時の解放戦線
踊り場で出会った僕らは十四歳
声を立てないでしよう
道徳仮面がまだそこらにいる
この大きな町はいつか僕らのものになる
英才教育実習時間だ
大人は黙って 金を出せ
サクランナー
おぉ。政府は金を使え使えと言う どういうこっちゃらへ
大江戸線はしばらくは赤字だと言う どういうこっちゃらへ
説明せよ。釈明せよ。
例えワタシが無知無能なサクランナーだとしても
なぜわからないことばかりなのだろう
なぜわからないことばかりなのだろう
知らない者こそ神だと業界じゃ言われてる
わかってるんだぜ。
音楽が机の上で楽しめるという どういうこっちゃらへ
音質もそこそこでプロもアマもないという どういうこっちゃらへ
創作せよ。排泄せよ。
例えワタシが分からず屋の洟たれただとしても
なぜわからないことばかりなのだろう
なぜわからないことばかりなのだろう
なぜわからないままで済むのだろう
なぜわからないままで行けるのだろう
知らない者こそ神だと業界じゃいわれてる
わかってるんだぜ。
12月23日
クリスマスなんていらない なんて言う人もいるけど
多分今日明日が僕のチャンスでこれを逃したら後がない
気がする
クリスマスなんて意味がない誕生日だって同じ事
それが昨日までの僕の言い分
それがどうかしたこの思い
なんだろう
なんでもいいや どうでもいいや
何かにかこつけて勇気が湧くのなら
前夜の前夜が眠れない
なんだろう
君の場所に来た僕なのか
僕の場所に来た君なのか
なんだろう
君は僕と繋がらなくちゃ
僕は君と繋がらなくちゃならない
気がする気がする気がする
人生は巡り合わせの運命の神の賜物
まさに今日明日が僕の未来を換えることになる気がして
気がして
なんでもいいや どうでもいいや
何かにかこつけて勇気が湧くのなら
前夜の前夜が眠れない
野望の人
当たり前に晴れた非番の朝
髭を剃ったら髪も切りたくなった
サロンじゃ有閑主婦を煙たがり
気がついたら耳まで揃えた
子供の様な顔の男が座っていた
アルバイトの年頃が、そうしてすぎてゆく
あぁ人生
晴れては募る疚しい欲望
負けては募る激しい野望の日々
あぁ
金まみれの子供達にもまれ
右も左も後ろも行けなくなった
クラスじゃ優等生の赤ラベル
気が向いたら遊びに来いよと
子供を抱いて笑う男のハガキが来る
アルバイトの年頃が、そろそろ暮れていく
あぁ人生
病めるが募る悲しい欲望
長けては募る野望の日々
あぁ人生
雨なら募る更なる欲望
泣けては来たが野望は死せず
あぁ
あぁ太陽よ
昇るが先か沈むが先か
そして俺はどこにいるのか
あぁ
連敗
昨日も負けた今日も負けた
日本ハムにも明日はやってくる
どうなるんだろう
昨日も負けた今日も負けた
勝てない人生明日を待っていない
どうしたいんだろう
打ってくれ小笠原 振ってくれヘルメットを飛ばして
昨日も負けた今日も負けた
とってはとられるオセロじゃあるまいし
それでいいのか
昨日も負けた今日も負けた
勝率3割打率じゃあるまいし
これでいいのか
打ってくれ小笠原 振ってくれヘルメットを飛ばして
昨日も負けた今日も負けた
毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日
それでいいのか
昨日も負けた今日も負けた
負け犬達にも明日はやってくる
これでいいのか
打ってくれ小笠原 振ってくれヘルメットを飛ばして
昨日も負けた今日も負けた
明日も負けかやはりそうか
どうなるんだろう
蚊
迷い込んでしまっただけです
できれば一口恵んでください
なかなかきれいな部屋ですね
できれば一口恵んでください
僕は蚊
知らないうちに気付いたときは
そうだったんです。
リフォームしたてのようですね
タバコのヤニには気をつけましょう
気付かぬうちに帰りますから
おかしな煙は炊かないでください
僕は蚊
知らないうちに気付いたときは
そうだったんです。
こんな小さな僕ですが
僕なり生きてみたいのです
蝿と僕とは違うのですから
パタパタ追わないで下さい
大空に躍り出たとき
僕は僕の可能性を
強く強く感じたのです
僕は蚊
迷い込んでしまっただけです
網戸の破れからお邪魔しましたが
飲みかけのコーヒーカップの縁に
羽をとられてしまいました
僕は蚊
勉強が足りない
未定
彼は
家を捨て町を捨て
知る人も頼る人もない土地をさまよった
それは
夢とかいうものがただひとつ
支えになり言い訳になった都合の良い日々
一番大事なものって何?
一番大事なことって何?
そして
もがいてみた嘆いてみた
自分の愚かさに振り回されて居直りの酒おぼえた
挙げ句
愛とか言う優しげなものに気づき縋り
気がついた時には父となっていた二十五の春
父となっていた二十五の春
一番大事なものって何?
一番大事なことって何?
一番大事な人って誰?
未だ定まらず
随分前に彼の背丈はこえてた
未だ定まらず
知らないウチに二十五も過ぎた
未だ定まらず
随分前に父の背丈はこえてた
未だ定まらず
徒歩のススメ
果てない道なんてなかったんだ
地図マニアの僕にしてこれだ
みんなは気付いてないかも知れない
東京は大きな町だと言うけれど
日本地図の中でも弱小だ どういうことだ
歩いてみよう 歩いてごらんよ
満員電車の窓から見逃してた
歩いてみよう 歩いてごらんよ
バスにだって乗ってちゃだめだ
果てない夢なんてなかったんだ
便乗自殺報道を観たよ
みんなは気付いているだろうか気になる
人生を大きな迷路に例えたら
行き止まりの道のほうが多い どういうことだ
歩いてみよう 歩いてごらんよ
抜け道マップはどこにも置いてないよ
歩いてみよう 歩いてご覧よ
きっとそこで誰かと出会う
三人目の孫
三人目の孫が出来て世の中はおめでたい
戦争も不景気もこうして乗り越えていくのね
うぅ
三人目の孫が出来て身の回りも騒がしい
法律も新聞も私を忘れていて欲しい
私はすこし私はすこし泣きました
三人目の姪が出来て少しだけ気が重い
友達と夜明けまで酒でも飲んでいたいものね
うぅ
三人目の姪が出来ておめでとうと言ったわ
人並みの月並みの私は女になりたいと
帝の陰で御旗の陰で
手を振りながら微笑みながら
暢気な兄の白髪がゆれて何故か泣きました
うぅ
銀杏並木から血洗いの池の渕
一度だけ一度だけ背に触れたあなたは今どこに
三人目の孫が出来て世の中はおめでたい
戦争も不景気もこうして忘れてきたものね
私はすこし私はすこし
サヤコのお願い誰にも言えずに泣きました