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41st 卒業LIVEか。


僕はとても驚いている。驚くほどのことではないのだけれども。そう、それくらい起きても何の不思議もないからだ。

僕は目白にある大学のサークルに所属した状態で、卒業した。別段この書く方をする必要はないが、書きながら唐突に、そういえば途中でそのサークルをやめてまた戻ったことがあったのを思い出したのだ。まあいい。どうでもいい。

とにかく、そのサークルは3月には卒業を記念してライブハウス貸切でイベントを行う。まあ、よくある、卒コンだね。目白だったから、一番近い盛り場の池袋にそのような場があっても良さそうなものだが、僕が大学生だったバブルの頃、池袋にあったライブハウスは東口に二つ三つだけだったと記憶している。僕の代は確か荻窪で開催だった。

41stって41期ということか。41マイナス27ってことで、僕は14期だったの?そんな計算をする。全然覚えちゃいないけども、僕はそのあたりのつまりなんだ、OBだ。

その卒業ライブが、今年はフィールドで開催なんだそうだ。三月二日に。驚いたよ。フィールドのスケジュール眺めてて、たまげたものだ。確かに、目白近いよ。ここでやるべきだよ。(ついでに世古武志の名も見つけて二度たまげたものだ。)

あの頃、1990年前後の僕はしょっちゅう、今のフィールドのあたりは散歩していたものだった。西池袋通りなんて、あの頃はなかった。芸術劇場だってなかった。西口は暗かった。あったのはホテルメトロポリタン。だけ。上階でケーキの食べ放題にいったもんだ。あの頃はまだ、食べ放題なんてあんまりなかった。おっと昔話はするもんじゃない。

フィールドのトイレの脇には今、僕の、何様でいこうか、のでかい綺麗な貼り紙がある。いやだなあ。後輩たちが目にするかもしれないと思うと、これはもう、恥ずかしいではないか。卒業して27年、まだ地下で歌っている名もなき先輩がいるなんて、どう考えるだろうか、と思ってしまう。


ただ安心なのは、近頃はOB会名簿というものが作られなくなっているし、幸いなことに僕は無名だ。気がつく後輩はあるまい。ただし僕の同期には鈴木結女がいて、例えば山石さんと鈴木結女の関係を後輩たちは、気がついているものなのだろうか。気づいていたら話題になったりして、そうしたらついでに話の種になったりは、しないだろうか。やっぱり心配だ。例えば田森理生がスタッフをやっていたら、軽くそんな話題になったりはしないだろうか。心配なのか安心なのか、どっちなんだ。

ま、とにかく、直接僕の名前に気づく後輩などはいないとして。何十年もやってきてみて近頃は、それなり歌える自分になってきたことを、誇らしく思うことにしよう。人の資質は不平等だし、皆、それぞれなんだ。そんな先輩が一人くらいいても、いいかもな。後輩たちが出入りするのを見ているかのような位置に、まるで遺影のように僕の写真があって。そう思うと愉快じゃないか。

もう親御さんくらいの歳とはいえ、こっそり仕事終わりに覗いてみることも考えてみたが、僕はきっとちょうどその時間、どこかで歌っているのだ。まだ僕を聴いたことのない人をもとめて、去年から皆に黙って出歩いているのだ。


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