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きみは捨て曲という言葉を聞いたことがあるか


日々、うたを作ることを考えて過ごしてきた。すなわち、目の前のことや、何日もあるいは何年も気になっていることを、うたにできるかどうか、常にその基準に照らすなり、或いは、どうでっち上げたら、うたになるだろうかと思案するのだ。知ってる。奇人の領域である。

よく僕がいただく、温厚に見えて頑固という評価は、たしかに見たまんまである。実際他人のいうことなんか聞かない人生。だっていちいちまるまる鵜呑みに聞いていたって、うたは作れない。うたを作り続けて、もう三十何年になる。その間には、その道の先輩方の意見を聞くことが、なくはなかった。

曰く、捨て曲がない。と。何人かの先輩がたが、奇しくも同じ言葉をつかった。

捨て曲などという言葉を、聞いたことがあるかい。文字通り捨ててもいい曲なんて、わざわざ作るまい。でも、あるんだ。その言葉があるということは。おそらくその言葉には存在意義があるのだと思う。世の中には、捨て曲ですらお金にする人たちも、あるということだろう。あんまりな言葉なので、意味は各々が考えて欲しい。

僕は僕でその、捨て曲という言葉を、自分の都合で使っている。例えばときどき、あ、今回作ったこの曲は所謂捨て曲になっちゃうのかな、とか。思いつきでふざけて書いた時は特にそう思う。エフをあきらめてなんて、その最たるものだし、古くは日曜餃子愛好会だって、そうだよ、床屋の歌だってほぼ気の迷いだったけど、どういうわけか後々まで印象的に聴かれたりする。

そんなだから、自分で、これはきっと後世に残るだとか、せいぜい一回きりだなとかいった楽曲の寿命など正確に判断するのは困難だ。いや、困難というよりも、自分の判断力こそが最もあてならない、と言った方が正しい。上述の通り、奇人基準だからだ。

そんな人間が、そんな人間なりの判断基準でかき集めた自作曲を、そんな人間の判断でならべて、一枚のアルバムですと言って製作する。これはもう、よく巷で言われる、売れるとか売れないとかいう一番簡単な基準よりも残念ながら下位の次元で、不安定要素の塊なのだ。


が、その数も44枚目。あまり意識しないで来たし、データ整理番号という認識だったけども、そろそろ実際数字として凄みを増して来たので、敢えて今後は使うことにする。随分長い前振りになったが、僕のリスナーのほとんどは活字狂だから遠慮なく長文にしたのだ。写真だってわざわざ違うものを使ったりして念入りだ。閑話休題なんと44枚目を、今週末のライブで公表販売する。タイトルは。

何様で行こう

本編12曲。ボーナス1曲。トータル45分強は、久しぶりの厚み。

50歳からは、これで行こう。

僕の場合は、これが、らしさってやつなんだ。ただの偏屈の下手くそじゃ、誰も聴いてくれない筈さ。そうでもないから、今がある。結局これが自分なんだろう。年甲斐がない?上等だ。その通りだ参ったか。

収録曲

  1. ふたりでうたえば

  2. 映画とシャケのおにぎりと

  3. スキヤキ

  4. ばかだな

  5. 真理

  6. しじみいつまでも

  7. ぬけがけはなしよ

  8. ワダさん

  9. そこに愛をみて

  10. その日のこと

  11. 八月の新曲

  12. いのり

意識的に最近作ったものが収められているのは、少なくとも今後一年はこの線で行ってみよう、という方針のあらわれである。

そしておまけのボーナストラックには、えのきどいちろう氏が昨年春のイベント出演のギャラとして書き下ろして下さった、ホームラン待ち、を収録。

改めて書きとめておこう。僕が野球場に野球を観に行き始めたのは、えのきどいちろう氏の影響だし、野球を題材に歌を作り始めたのもそのせい。この一年は、いろんな出会いがあった気がする。それは、意図的なものだったから当然といえば当然だけども、出会いの数だけ歌ができる人も、そうそういるまいとは思う。

分厚い歌詞カード付きの商品は、今週末のワンマンライブで、販売します。販売価格は税込2500円。数量ごく限定売り切り全てなので、歌詞カードをお求めの方は、お早めに。


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