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なんであんなに楽しみにしていたんだろう


不思議なもので、日を経ていくごとに、こんな気持ちになっている。

あー憑き物が落ちた。これから歌っていくのが、ただただ楽しみになった。

一体ぜんたい、落ちたのはなんだったんだろう。

それをずっと考えていた。それで、この件について書くのが遅くなりましたの。そう、例の三月末の同窓会のお話。

かつてたまたま住んでいた地域が同じだった同級生たちは、たまたま僕が歌を作ってうたい始めた時にそばにいたから、付き合いで下手な歌を聞かされたものだったけども、ごくごく普通の反応として、しばらく経ったらやっぱり、お付き合いもほどほどに。になった、あの頃。

それに対して、いつかはきっと僕は彼らに、うたの人だと認知させてみせるという強く思ってやって来た。悔しさは原動力。

でも、実はそれはもう叶わない。

彼らと僕はもうひとむかしも前から、交わらない方角へそれぞれ道を見出し、歩を進めていて、つまりもう、共有したあの頃のこと、でさえも、分かり合えなくなっていたんだ。

例えて言えば二十年前に二度くらい来てもう来なくなったあのお客さんがたと同じく、彼らはもう会うこともない人たちだったんだ。たまたま、出身学校が同じだったから再び会うことになっただけで。ということに、ようやく気がつくことができた。ちょうど前週に公表したCD何様で行こう、に収めた八月の新曲には、至らない自分への悔悟とともに、本当はもう一度チャンスが欲しいという未練が込められていたけれども、それも現実にはないものなんだとやっと気がついた。


これで、心おきなくうたっていける。あの地に思い残すことはもうないんだ。清々しい春を迎えたわけ。

こんな気持ちになれることをまったく予期はしていなかったけれど、あの日を楽しみにしてこの冬を過ごしてきてよかった。事実あの日は、ただただ楽しい1日だったから。次の日に何も残らないくらい、気持ちのいい1日だったから。


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